3年は我慢
3年間は会社を辞めるな、30歳になるまでに会社を辞めるな、とはよく聞かれるアドバイスです。
会社も仕事も、それを取り巻く環境の中にも、さまざまに学び、体験しなければわからないことが沢山あります。わかるまでには3年近くかかるのです。
初めての世界ですから、ひとつひとつ身につけていくことは大変で、つらくも苦しくもあるでしょう。しかし、ずっと苦しみ続けているばかりでなく、仕事の節々で達成できれば、喜びや技術の修得の実感があるものです。その成長を自分の資産にして、一歩一歩高いところへ登って行きます。そしてまたそこでも苦労の連続です。どのような仕事にも努力や苦労はつきもので、ある程度の時間をかけないと、その仕事の本質や他の仕事との関連性や、会社全体がわかってこないものです。
およそ仕事全体が見え、努力した結果、自分のこれからも見通せる次元になって、自分がさらに挑戦するために意識や確信が持てたときに、転職も選択肢にするのならばいいのです。
しかし、その境地に達するには、その人や仕事にもよりますが、どんなに早くても2年、ふつうは3年くらいかかるものです。高校でも、専門学校でも、大学でも、勉学には3年か、それ前後の期間を必要としているでしょう。
3年経たずに辞めるということは、まだ自分自身にとって、底のところまで極める前に辞めてしまうことなので、結局なにも身につかないまま、振り出しに戻ってしまうようなものです。しかも、年齢と体力だけは経過していくハンディが伴ないます。最低限必要な時期を経過せずして、逼迫した理由か、絶対に自分にはムリという何らかの理由でもなければ、転職するより、いまのところで、努力をしてみるべきだと思うのです。努力の仕方にも問題があって、会社や仕事と自分との関係における、成長の軌跡、いままでの問題点、長短所、これからの改善点や気構えなど、できるだけ客観的に見つめ直し、反省し、対策を立てる必要があります。
自分で自分を乗越える方法を見つけるしかありません。
仕事に就くままではわからなかったことなので、なかには、全く自分に向いていなかった、という場合もあるでしょう。しかし、仕事が全く自分にドンピシャだった、というラッキーなケースもあまりなく、仕事に自分を合わせて、自分を変え、添わせ、高めていくことも必要なのです。
自分に合っていると思われる職業でも、外から見ていたのではわからない、現場に入ってから見えてくる別の面があるものです。概念と現場との違いは、どのような世界にもあります。おまけに、その上に、社員同士の人間関係や上司との関係、お得意様との関係が入ってきます。
それでも転職するとして、次の職場でも、同じような問題に遭遇するとしたらどうしますか。
3年や30歳までの転職は、ひとつの山に3合目まで登っている途中でやめて、隣の山に登ろうとするようなものです。その山も3合目までしか登れないのではないでしょうか。
辞める理由を考えるのではなく、辞めない理由を考え抜いてから、転職する理由も考え抜いてください。転職するかどうかが問題ではなく、あなたがどれだけ努力しているか、努力している結果を客観的に判断できるかどうかにかかっています。安易な転職だけはしない方がいいのです。